わたしは死なない とおもっている人

わりと、「自分、もしくは自分の家族は死なない」とおもっている人が多いです


いや、べつにそれはいいんですけど、98歳になっている自分の親が実際問題、「死なない」というのはあまり現実的ではないです


宇野千代だって、「自分は死なないような気がする」と豪語していたにもかかわらず、やっぱり死にましたからね



まああれは、たぶんそうじゃなくて、編集者がそこだけを抜き出しておもしろおかしくフィーチャーしただけのタイトルのような、わたし何だかそんな気がするんですよ



お葬式にもお金がものすごくかかるし、「実際問題、死んでもコストがかかって困る。介護もはっきりいって負担。このまま、5階の自宅までの階段を100段、明日も昇り続けてもらわなければ困る」


ということもある




だから「死ぬことを心配していたら、費用負担が心配で夜も眠れない」という悩みはよくわかる




でもねー、病院ではそれは決められないから



やっぱり98歳とかで「いやー、明日にも死ぬかもなんていわれても、うちのおばあちゃんは今朝まで元気だったんで、人工呼吸器につなぐかつながないかなんて決められませんよ」とかいわれても、病院も困るのだ





わたしたちがあなたやあなたのおばあちゃんのお友達だったりご近所さんだったとしたら、無責任なアドバイスはいくらでもできるし、話を「聞くこと」はいくらでもできる






だけど、病院の機能は残念ながら「今朝まで元気だったおばあちゃんの迷えるご家族に、100%の回答を出す」ところまでは行かないのが現実



実際問題、家族が患者本人が生命維持装置につながれているのを耐えられるかどうか、現実的にそれを支えられるのかどうか、金銭的にはどうなのか、受け入れられるのかどうか




「あんたたちは慣れているかもれないけど、このひとは俺のただ一人の母親なんだよ!」といわれることもある






そのとおり、わたしたちも人の死に「慣れる」ということはありません





患者を看取ったあとで、幼稚園のお遊戯会とかに参加するこの身のつらさよ



けっきょく愚痴ってしまいました